おはようございます。
1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、4月は死ぬと年明けから新年度までの忙しさを表した言葉ですね。新説の4月追加バージョンでさらに忙しさが伝わってきますね。
何かと忙しい期間がおよそ半分終わって折り返しです、弊社では現在事務所拡張のため引っ越しの準備の真っ只中です、後半のほうが打ち合わせや工事の進捗確認などさらに色々なことが増えてくる予定なので若干ゲンナリ気味です。
本日の記事は私が以前行ったセミナーの中でものすごく心に響いた言葉を深掘りしていこうと思っています。
「私たちは商売をしているのであって、決して品売をしているのではない」
うーん、深いですね。物を扱っている以上品物を販売しているという認識になってしまうのですが、実際にお客さんが欲しがっているものは決して品物だけではなく品物の先にあるコトを購入する意識であるということですね。過去にも触れましたがベネフィットを突き詰めていく事が商売の本質であり継続の原資になります。決してモノの価格でお客様に選んでいただくのではなく我々が提供する商品の先にあるHAPPY=ベネフィットを選んでいただくことで商品を購入いただくということです。
では、具体的にベネフィットってどうやて考えるの?という素朴な疑問が出てきますね。普段私達が商品を購入する際には無意識にできていることが販売する側に回ると突然思考が「売り」に向かってしまい本来伝えるべき内容から乖離して「品物」自身を説明してしてしまう。
ベネフィット軸で考えられない以上は永遠に品売から抜けることができず、商売人ではなく品売人になってしまいます。ちなみに、品売人は終わることのない不毛な価格競争の中で戦い続ける修羅道を永遠に歩き続けなければなりません。
修羅道とは仏教における六道の中で天道、人間道の次にある世界。
修羅道は阿修羅の住まう世界である。修羅は終始戦い、争うとされる。苦しみや怒りが絶えないが地獄のような場所ではなく、苦しみは自らに帰結するところが大きい世界である。
少利益売上至上の道
この地獄の中で大手量販との熾烈な戦いを続けられますか?
「はい」という方は立派な修羅になることが出来ます。
私も以前格安販売で利益よりも売上、回転させる資金を大きくすることで低利益率を補うというビジネスをしていた事があります。
その時はそれが正しいと思っていたのですが、今になって振り返ってみると心の平穏とは程遠く常にイライラしている状態でしたね。
個人の適性と言うものがあると思うのですが私には合わないビジネスを選んでしまい自分自身を疲弊させていたという事を後になって気付きました。
それでは、本題のベネフィットを販売する商売人の話に戻りましょう。
以前の記事でも説明しましたがベネフィットとは商品によって得られるお客さんの利益ですね。
もう少し具体的に考察してくとベネフィットとは商品の特徴(スペック)を通じた自分(お客さん)の利益であると考えられます。
以下の表を元に商品特徴とベネフィットの関係をまとめてみましょう。
商品
iPhone7Plus
特徴(スペック)
Apple A10 Fusion + M10 モーションコプロセッサ
5.5インチRetina HD
コントラスト比1300:1(標準)
最大輝度 625cd/m2 (標準)
広色域対応(P3)
12MP iSightカメラ x2
広角:f1.8
望遠:f2.8
光学手ぶれ補正
ベネフィット
Apple A10 を採用することでストレスのないサクサク動作を実現。
5.5インチRetina HDで美しい画面がいつでもどこでも見ることが出来る。
12MP iSightカメラ x2で瞬間の思い出を撮り損ねること無くキレイに撮影できる。
サクっというとこういう事ですね。
スペックの詳細を知っている人にはスペックの先にあるものが何かがわかっているのでプロセッサの名称だけでその効果効能を把握できます。
同様のことが車などでも有ると思いのですが私も含めて多くの人間(特にライトユーザー)にはスペックだけではどういうメリットが享受できるかを把握しづらく、何となく使用している情景が想像しにくい傾向にあります。
ベネフィットを説明することで商品を使用している状態が想像しやすいですよね。
ベネフィットとは商品ではなく商品の先にある体験です。特徴から生まれるHAPPYがベネフィットで、商品のスペックでは決してありません。
「商品を通じてお客様にHAPPYになってもらいましょう!」
というと少し胡散臭い表現に聞こえますが全くその通りで商売とはそうあるべきなのです。モノではなくコト(体験)を販売することで価格とは違う切り口でお客さんにアピールすることが出来ます。
我々中小企業は、それに気付かないといつまでも価格競争の荒波の中をさまよい続ける小舟になってしまい大資本の前に為す術のない状態になってしまいます。
ニッチでも市場規模が小さくても利益を出して商売を継続するために物を売るのではなくコトを売るという意識が企業の存続を左右する非常に大事な考え方です。
どうしても、目の前に商品があると特徴(スペック)に目が行きがちですがもう一回り想像してそのスペックがお客さんをどのようにHAPPYにするかを考えてみましょう。