こんにちは、オクダイラです。
前回のブログにもアップしたようにイーコマース事業協会の5月定例会において弊社の取り組み、実績をお話させていただく機会がありました。
その際に講演させていただきました弊社の採用戦略の詳細を記事としてまとめていきます。
昨今いろいろな業界で叫ばれている人手不足問題ですが、ここ姫路でもご多分に漏れず採用の厳しさが増しています。
特にデザイナーの募集においては田舎ということもありそもそもの求職者の分母が少ないのが現状です。ましてや実務経験者の採用となるとかなり狭き門となっています。
首都圏、阪神間とは事情の違う地方で採用活動を行うために弊社が行っている事、練り上げてきた戦略をご紹介します。
まず最初に、縁故以外の採用活動は基本的にマーケティングと同じであるという認識が大切です。氷河期以前の社長に多い「雇ってやっている」という認識では希望する採用は厳しいかもしれません。
物販に置き換えると、お客様に物を売ってやっているという態度と同じです。
いわゆる売り手目線(この場合採用目線)をなくして、お客様目線(求職者目線)をもって採用活動に取り組みましょう
上記4点は競合他社に優秀な人材を取られないための必須項目になります。
少し難しい内容になってしまうので私自身がテンパってしまわないように解説と実例を組み合わせてお伝えします。
これは、特に解説の必要はないとおもいます。男女雇用機会均等法において年齢性別などを理由に不平等な扱いをすることは許されません。
しかし、若い女性のデザイナーが欲しい場合と経験豊富な男性のデザイナーが欲しい場合では採用ニーズは大きく異なります。
そこで、自社が採用したい人材は具体的にどういう人なのか?ということに立ち返りできるだけ具体的な人材像を作ります。
例えば弊社の直近の採用活動においてはプロダクトデザインができる若手の女性デザイナーを希望していました。
【具体的な人材像】
・25~32歳
・既婚
・子供あり
・趣味カメラ
・インスタ大好き
・オシャレ好き
・社会人経験5年以上
こういう感じで人材像を考えていました。もちろん、この条件全てに合致する必要はありませんが弊社の業務における貢献度の高い人材という点に重点を置いて考えています。
では、この人材をターゲットとしてマーケティング採用を行っていきましょう!
3C分析とは?
Customer:市場・顧客
Competitor:競合
Company:自社
Customer:求職者
Competitor:競合
Company:自社
として、求職者が自社に興味を持ち面接に来る。
こう考えると伝えるべき内容はなにか、競合に対して優れている点、劣っている点などを考えてみましょう。
Customer | Competitor | Company |
家族の時間を大切にするために多様な働き方を希望している。
しかし、勤務時間中も充実した職業体験を通じて社会に貢献しているというやりがいが欲しい。 |
WEB専業でECからコーポレートサイトまで幅広く手がける。
制作に特化しているのでスタッフ全員のデザインセンスが高く魅せることに関しては一級品。 |
ECに特化しているので写真撮影の専用スタジオがあり物流小売マーケティングなど事業を通じて様々な体験がある。
自分が作ったページが売れた時の達成感 |
前述のターゲットをCustomerとして分析してみます。ちなみに、WEBデザイナー募集なので競合は仮にA社という受託のWEB制作会社とします。
さらに、4P分析も行っていきましょう。
4P分析とは、どんな製品(Product)を、いくら(Price)で、どこで(Place)、どのように(Promotion)して売るかといったマーケティングにおける4つの視点を組み合わせた企業戦略を策定するための分析手法です。
https://www.bizocean.jp/doc/howto/153/
これを採用活動に落とし込むと
Product:仕事内容
Price:給与、福利厚生
Place:勤務場所
Promotion:情報発信の接点(求人情報、サイトなど)
自社 | 競合 | |
仕事内容 | カメラ、商品企画、印刷物、WEB(EC専業) | 受託制作のWEB専業 |
給与、福利厚生 | 180,000~230,000 | 180,000~230,000 |
勤務場所 | 兵庫県姫路市豊富町豊富
車通勤が基本の田舎 |
姫路市内の中心地より
JRで東西のアクセス良好 |
情報発信 | ハローワーク
リクルートサイト |
ハローワーク
WEBサイトはリクルート最適化なし |
先の3Cの結果と同じ感じですが、勤務地が圧倒的に劣っています。
しかし、プロモーションに関しては求職者に向けてのWEBサイトにカスタマイズされている分、弊社に分があるかと思います。
競合が実行しておらず、自社が実行していることはWEBサイトでの情報発信でした。
「WEBサイトを見た求職者が弊社を選ぶ」という仮説を立てました。
医者の不養生と言いますか、WEB制作を生業にした際、仕事が忙しいと自社のWEBページはおざなりになっていくものですね。
そもそも、WEBサイトの目的が求人者に特化している弊社に対して、新規顧客に向けた内容の競合では採用活動という面ではアドバンテージが違いすぎますね。
ちなみに、弊社のサイトは新規顧客に向けたコンテンツはほぼ存在しません。新規取りに行くならブログでコンテンツ作りまくる手法を選択すると思います。今や普通の会社のホームページで集客ができるような時代ではないのかもしれません。
どんな人が働いているのだろうか?
どんな仕事をするのだろうか?
職場環境はどういうところだろうか?
こういった、求職者の不安不信不便などの「不」を求人票とWEBサイトで出来る限り払拭しています
弊社のWEBサイトにおいて行ったリクルートサイト化
・WEBサイトには社長はじめ全員の顔写真とプロフィールを掲載する
ECで働く人の多くが内勤のため、職場の人間関係は業務内容と同じくらいの重要度があります。
魅力的な業務内容でも職場の人間が不明瞭であれば応募すらしない場合もあります(特に女性に多い)
採用面接時の話題作りにも一役買ってくれることもありました。
・社長や採用担当者がブログ的な感じで求職者に向けてメッセージを書く
求人情報の深掘りを行うことが出来るので、欲しい人材に向けてピンポイントで内容を書くことでより希望に沿った採用を行うことが出来ます。
面接だけが多くなり時間を無駄にすることを多少でも軽減することが出来ます。
面接時にWEBサイトを見たかどうかの質問で本気度を簡単に測ることが出来ます。
もちろん、スマホファーストで制作です!
このようにして弊社の採用活動は求人者に最適化されたWEBサイトをフックとして満足行く採用活動を行うことが出来ています。
人材不足で悩まれている採用担当者さまは、是非とも簡単なテンプレサイトでもいいのでリクルートサイトを作ってください。
伝えることを第一にして自分の言葉で対象者に伝えることがデザインやコミュニケーションの本質です。